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『Tシャツに包まれた、三本の楊枝の物語』

1. 「当たり前」の先にあるもの

  • 蕎麦屋として、美味しい蕎麦を出すのは当然。お客様を裏切らないのもプロとして当たり前。

  • しかし今、私たちが大切にしたいのは、その「当たり前」の隙間に宿る、ちょっとした「おもてなしの心」だ。

2. スナック「ルパン」のママの指先

  • うちの店(一匠庵)で配っている、Tシャツ型の折り紙に入ったつま楊枝入れ。

  • これを毎月1000枚、手作業で折ってくれているのは、地元・飲食店組合の仲間でもあるスナック「ルパン」のママだ。

  • 30年も前からその名を掲げ、誰からも愛される気さくな彼女。ルパンのカウンターで、夜な夜なこの小さなTシャツが産み落とされている。

3. 「おしゃれ」の正体は、手間暇

  • 商工会の女性部の方に「これ、どうしたの?」と聞かれた。

  • ショップカードと共にフィルムに包まれたその楊枝入れは、確かに「おしゃれ」だ。けれどその本質は、見た目ではなく、1000回繰り返された「誰かのために手を動かす」という贅沢な手間暇にある。

4. 効率化では届かない場所

  • 100円で何でも手に入る時代に、あえて誰かが折った紙に価値を見出す。

  • リーズナブルなスナックのママが、蕎麦屋の客を想って折る。この「横の繋がり」こそが、私が守りたい日本蕎麦街道の正体だ。

  • 蕎麦の喉越しと共に、この小さなTシャツに込められた「気さくな真心」も、ぜひ持ち帰ってほしい。

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